ケトルでゆで卵をつくる

2021/6/17

 

お昼に「コントが始まる」9話を観たら、菅田将暉になりたくなったので、家にある自分がいちばん菅田将暉っぽいんじゃないかという服に着替えて一日を過ごした。

 

(ゆで卵が食べたい…!)

ケトルを使ってパウチを湯煎し始めた時からそう考えていた。卵は栄養価が高く、完全食品とも言われる存在だ。そんな完全食品を気軽に食べられる方法のひとつがゆで卵である。とりあえず熱湯で数分茹でれば栄養が摂取できる。だから、私はゆで卵に全幅の信頼を置いてきた。会社にも、昼食に間食にと家で用意したゆで卵を頻繁に持参していたため、私物ロッカーに塩の小瓶を常備していたほどだ。ケトルでゆで卵が作れるようになれば、私のずぼら食生活ライフもより豊かになること間違いなしなので、ゆで卵作りにトライしてみることにした。

ケトルでゆで卵をつくるために、クリアしなければならないことがひとつあった。それは、「ケトル内における卵の位置の固定」だ。ケトルの中に直接卵を入れて茹でた場合、沸騰時発生する気泡によって卵が浮き沈みし、ケトルの底面や側面にぶつかって、割れてしまう恐れがある。そうならないように、ケトルの中で気泡が発生しても、卵が動かないようにする必要があった。

ケトルの中で卵が動かないようにするためには、どんな器具が必要だろうか。卵を気泡から守ることで、卵の動揺を抑え、位置の固定を可能にするもの…。

とりあえず、手持ちの調理器具で使えそうなものとして、おたまが思い浮かんだが、おたまでは心もとない。ケトルの中で発生する気泡は大きく、かなり勢いがあるので、おたま程度のポケットの深さでは安心できない。そこで、やむなく100均に行って、適当な道具を探すことにした。

ダイソーに足を踏み入れ、さっそく調理器具の棚に向かった。まず目に入ってきたのは味噌こしだ。みそこし!なるほど、その引き出しはなかった。味噌こしであれば、ポケットの深さも十分であるし、ステンレス製だから、熱湯に入れても問題はあるまい。私の心は味噌こしにぐっ、と傾いた。しかし、不安な点がひとつあった。

(この味噌こしはケトルに入るだろうか…。)

ケトルの蓋を開け、上から眺めたところを思い出しながら、私は目の前の味噌こしを見た。そして、その想像上のケトルが描く丸に、目の前の味噌こしを沈めてみた。味噌こしは、ポケットの中盤で引っかかり、ケトルの丸を丸丸ふさいでしまった。だめだ、入らない…。味噌こしは適当な道具ではなかった。

次に私が目を留めたのがこれだ。一目見た瞬間に、私の脳裏で予感が鳴った。これが「正解」かもしれない…。


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商品の形を見ても、本来何を目的とする道具であるか皆目見当がつかなかったが、パッケージには「泡立て器(開閉式)」とあった。開けばトング、上部のスイッチをスライドし、ロックして閉じれば泡立て器として使えるということのようだった。けれど、その時の私にとって、それは全く「ケトルでゆで卵をつくるための道具」であった。とにもかくにも、その器具の形状は私の目的達成にうってつけのように思えた。

形状は完璧だ、完璧なのだ。が、やはり心配なことが二つあった。

一つ目は、耐熱温度だ。見たところ、その道具はポリでできていた。素材が熱湯に耐えうるかどうかはかなり重要なポイントである。この点に対しては他に工夫のしようもないので、どれだけ形状が完璧でも、耐熱温度が低ければ適当な道具として我が家に迎え入れることはできない。パッケージ裏の「耐熱温度」を真剣な面持ちで確認すると、上限は120度。予想外に高い。とりあえず、この問題はクリアだ。

二つ目は、この格子状の球に卵が収まるかということ。先ほどと同じようにイメージしてみると、脳内の卵はこの球にすっぽりと収まった。そして、そうなる可能性はかなり高いように思えた。しかし、想像と現実が一致しないのはよくあることだ。いざ茹でる段になって、卵が球に収まらず失敗に終わったとしても、驚くには値しない。高い可能性を絶対にするために、一度帰宅し卵を携えて再訪し検証することも可能だが、あまりにも不審なので、それはさすがに控えることにした。もし収まらなかった場合は、本来の用途であるトングや泡立て器として使用すればよいと考え、ほんの少し不安だったが購入することにした。

 

ということで、実際にケトルでゆで卵をつくってみました。

①球に卵を入れて、ロックして閉じる。これで縦にしても卵が落ちない。


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やってみたらイメージ通り、卵はすっぽりと球に収まってくれた。これは俗に言うシンデレラフィット。

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②お湯が沸いたらケトルに入れて、好みの固さになるまで待つ(私の好みは8分くらいなのでそれくらい待った)

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③できたら引き上げて冷やす


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④殻をむいたら完成!うまい!


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使ったあとの「泡立て器(開閉式)」。特に溶けたりしていない。

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ということで、無事に成功しました。これでケトルでゆで卵がつくれます。もちろんですが、ダイソーはこんな使い方想定していません。

 

ちなみにこの日の昼ご飯はこれでした。刺身はわらさっていうブリみたいなやつ。簡単でうまかったです。

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